高額療養費制度について ~健康保険~

ご無沙汰しております。
社会保険労務士事務所みらいの飯村です。

年々桜が散るのが早くなってきたなあ、と思っていたら、庭の薔薇が4月中旬から
咲き始めました。本来は5月頃から咲く薔薇。
ほとんどお世話もせず、あまり水やりもしなかったルージュ・ピエール・ドゥ・ロンサール。
それでも、こんな↑感じの真紅の花を咲かせてくれて、ありがとう、です。

 

私事ですが、5月に入院・手術の予定をしているため、健康保険の限度額適用認定証
の申請をしました。

 

同一月に高額な医療費を支払った場合、申請を知れば、年齢や所得状況等により
定められた自己負担限度額を超える額が後で払い戻しされます。

 

事前に分かっていれば、限度額適用認定証を医療機関に提示すれば、医療機関
窓口での支払は自己負担限度額まで、となります。

 

いつもは顧問先様からのご依頼で協会けんぽへ申請書を郵送、その後協会けんぽ
で受理印を押印してもらったものを返送してもらい。顧問先様へご報告し手続き完了、
なので、いつ頃被保険者の方のお手元に到着したのかはわかりませんでした。

 

さてさて、申請してからどれくらいで届くのかな、とちょっと楽しみにしていたのですが。

1週間以上かかりました。申請書を送るのも認定証が届くのも普通郵便でした。

今、普通郵便は神奈川県内では翌々日に届きます。


郵便が届くのに時間がかかるようになったこともあり、医療費が高額になり限度額適用
認定証を使う予定が分かった時には、早く申請されることをお勧めします。

 

医療費は、月ごと(暦日単位)に分けて医療機関は審査支払機関に請求しています。

月末までに新しい保険証や限度額適用認定証を持ってきてください、と言われることが
あるのは、医療機関が審査支払機関へ診療報酬明細書(レセプト)を提出するのは
診療行為を行った翌月の10日前後まで、となっているから。

 

認定証を使うのか、どこの保険者か、は、レセプトの作成に必要になります。

 

入院したら、いくらくらいかかるんだろう。

ネットで、自分の受ける手術の診療報酬点数を調べてみました。

 
42050点。

 
1点が10円換算なので、約42万円の手術です。

協会けんぽが7割負担してくれて、自己負担は3割なので、約14万円を自己負担する
ことになります。

手術だけで14万円!その他の診療分も合わせたらいくらになるか。
うん、私の自己負担額を軽く超えそうです。

 

限度額適用認定証を使用して窓口での支払いを抑えるか、もしくは後から
高額療養費の請求をしようか。。。
病院はクレジットカード決済が可能なので…限度額適用認定証を使用せずに支払って
カードのポイントを貯めようかと思案しています。

 

ここで、支払いと高額療養費のしくみを簡単にご説明します。

 

日本は、国民皆保険制度となっています。
外国人も、3か月を超える在留資格のある方は公的医療保険に加入しなければなりません。

 

医療機関を受診する場合、保険医療を受けることができ、その費用は、保険者7割、
患者3割(年齢・所得等によって異なる)となり、公的医療保険によって患者の費用
負担が軽減されています。

医療機関を受診すると、医療行為ごとに点数で定められた診療報酬を算出してその
時の窓口で払う金額が決められます。
領収書と一緒に渡される(発行するか事前に聞かれると思います)診療明細書に、
その内容や点数が記載されています。

 

医療機関は、患者ごと、月ごと、外来・入院・調剤ごとに診療報酬明細書(レセプト)
を作成して、「国民健康保険団体連合会」、「社会保険診療報酬支払基金」などの
審査支払機関にレセプトを提出します。

直接、協会けんぽやけんぽ組合等の保険者に請求するわけではなく、審査支払機関
が、その診療が適切かどうかを審査、医療機関に保険者が負担する7割分を支払います。

 

高額療養費の支給を申請する場合、協会けんぽや健保組合などの保険者に
レセプトが届くまで、診療月から数か月かかります。

協会けんぽでは、高額療養費の払い戻しは、診療月から3か月以上かかるとのこと。

 

尚、高額療養費は、自己負担額を世帯で合算できます(被扶養者に限ります)
同じ月内で、別の医療機関を受診したり、退院後同じ病院の外来を受診したり、
被扶養者が医療機関を受診している場合、合算が可能です。

協会けんぽの場合、70歳未満の方は自己負担21000円以上の場合のみ合算が
可能です(70歳以上の方はすべて合算可能)。

 

今まで協会けんぽの場合を書きましたが、けんぽ組合の場合でも流れはほぼ同じです。

しかし、いくつか異なることがありますので、けんぽ組合に必ずご確認ください。

けんぽ組合によっては、医療費が高額になった場合、高額療養費の他に、けんぽ組合
独自に行う付加金(一部負担還元金)が支給される場合があります。

付加金は、医療機関から届くレセプトを元にけんぽ組合が自動で支給してくれる組合
と、申請が必要な組合があります。

付加金の金額も組合によって異なります。

合算できるレセプトの金額も異なります。

 

とあるけんぽ組合は、1レセプトあたり1万円を超えると、自動で被保険者の銀行口座
に1万円を超えた額が支払われます。

医療費がいくらかかっても、1月当たりの自己負担が1万円で良いだなんて!

被保険者に手厚いこのけんぽ組合のホームページはパスワードがないと見ることが
できず、、、

 

けんぽ組合には独自の付加金等をもつところが多く、保険料率も協会けんぽに比べ低い傾向にあります。

加入には各組合ごとに、業種や人数、扶養率や平均標準報酬月額が基準値を満たしていること、などの要件があります。各組合により審査があります。

 

高額療養費には、入院時食事療養費や入院時生活療養費、差額ベッド代などは
対象になりません。

そのため、限度額適用認定証を使用する場合などに、あれ?自己負担額より多く
負担している、と思うかもしれません。

差額ベッド代は特別療養観察室料といって、定められた広さなどの環境を整えた
4床以下の部屋を患者が希望した場合に負担します。
公的医療保険の対象外の為、全額自己負担となります。

 

この差額ベッド代。ちょっといろいろ悩んでいます。
本来は患者が希望した場合に支払う必要があり同意なく請求できないのですが。。。
私は希望していないのですが、無料のお部屋が空いていなかったら差額ベッド代の
かかるお部屋になります、同意書に事前にサインしてください、と。


なるほど、こういうケースがあると聞いてはいましたが、どうするべきか。。。

 

個人的なことになりますが、民間の医療保険にも加入しているので、退院後は保険金
の請求をする予定です。

うーん、保険金で差額ベッド代をまかなえるかどうか。

今は領収書や診療明細書をスキャン・アップすればオンラインで保険金を請求できるそう。

保険金の請求や傷病手当金の申請などについても、後日ブログで書いていきたいと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

社会保険労務士事務所みらいのメンバーブログを、
どうぞよろしくお願い申し上げます。

飯村

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