緊急事態宣言下の休業対応について

20200406新型インフル特措法の概要

いよいよ明日明後日にも政府より緊急事態宣言が出されようとしています。

その場合、外出は禁止しなければならないのか、事業を止めなければならないのか、
従業員への休業補償はどうなるのかとか、分からないことが多々あります。

そこで今日現在、分かる範囲内で、緊急事態宣言が出された場合の休業等労務管理に関することをお伝えしたいと思います。
休業事態宣言は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて発令され以下の措置が行われます。

① 外出自粛要請、興行場、催物等の制限等の要請・指示(潜伏期間、治癒するまでの期間等を考慮)
② 住民に対する予防接種の実施(国による必要な財政負担)
③ 医療提供体制の確保(臨時の医療施設等)
④ 緊急物資の運送の要請・指示
⑤ 政令で定める特定物資の売渡しの要請・収用
⑥ 埋葬・火葬の特例
⑦ 生活関連物資等の価格の安定(国民生活安定緊急措置法等の的確な運用)
⑧ 行政上の申請期限の延長等
⑨ 政府関係金融機関等による融資

ここで事業を行うものに重要なのは①です。

法45条第1項では「当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる。」としています。

また同条第2項では「当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設、興行場その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。」とされています。

第1項に属する場合は、あくまでも外出自粛の要請で、第2項の場合は営業の制限が行われるので、自粛と制限のどちらになるかで、営業を継続するかどうかについて判断することになります。

多くの事業の場合には、自主的に判断を行うようになるでしょう。
ここで営業自粛を行った場合には休業手当を支給する義務が有るか無いかといえば、「ありません」

4月3日の東京新聞の報道では以下のように報道されています。

緊急事態宣言が出されると、都道府県知事は学校など公共施設に加えライブハウス、野球場、映画館、寄席、劇場など多数の人が集まる営業施設には営業停止を要請・指示できる。

労働基準法を所管する厚労省によると、施設・企業での休業は「企業の自己都合」とはいえなくなり、「休業手当を払わなくても違法ではなくなる」(同省監督課)としている。

また、生活必需品以外の幅広い小売店や飲食店も、客の激減や従業員が通勤できなくなるなどで休業を迫られる可能性がある。こうした場合も厚労省は、企業の自己都合とは言い切れず企業に「休業手当の支給義務を課すことは難しい」とみる。
このように緊急事態宣言を出された場合には、「休業手当の支給の義務は無い」と判断されることに基づいて、事業の継続と従業員の雇用の確保について検討することになります。
なので安易に緊急事態宣言を出せ出せという風潮には慎重になるべきだと思っておりました。

事業主が休業に伴う賃金の補償をしないとどうなるか。

もちろん生活に不安が生じることになりますので、4月3日に報道されているような1世帯あたり30万円を給付するという話が浮上しているものと推察します。

また、これは極論ですが、従業員に対する一番早い生活保証の方法は会社都合による解雇を行い、失業手当をいち早く受給することが考えられます。

また東日本大震災においては解雇等の離職の手続きをしなくても特例措置として失業手当を支給した事例があります。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/koyouhoken07.pdf

今回この措置を実施するかどうかはわかりませんけど、生活と雇用の安定のためには一番効果的な対応方法かなとも思っています。

また解雇しなくても、週20時間未満の雇用契約に切り替えて、雇用保険と社会保険の資格を喪失するという手段も考えられます。

 

まとめます!

緊急事態宣言が出されたらどうするか。

①休業手当を支給する(60%~100%)→雇用調整助成金で対応

②休業手当を支給しない→従業員は無給+1世帯あたり30万円の給付を受ける

③解雇する→従業員は失業手当を貰う。落ち着いたら再雇用する。

④雇用契約を週20時間未満に切り替える→失業保険を貰う。社会保険は国保と国民年金に。

⑤東日本大震災と同様の特例により解雇しないで失業手当をもらう(不確定な希望的な観測)

このような選択肢があることを踏まえて、政府の発表を待ちたいと思います。

緊張の1週間の始まりです。

 

※4月7日8:30追記

①について、緊急事態宣言が出て社員を自宅待機させ休業手当を支払った場合でも、雇用調整助成金の支給対象となると、知り合いの社労士が労働局に確認したそうです。

②の1世帯あたり30万円の給付については、給付対象は、世帯主の2月以降の月間収入が1月以前と比べて減少し、年収換算で個人住民税非課税の水準まで落ち込む場合のようです。

東京23区内に住む会社員で単身世帯は年収100万円以下、専業主婦と子ども2人の4人世帯では年収約255万円以下だと住民税が非課税となるそうです。

また住民税を課される収入があっても、急激な客足の減少などで月収が半減した人は給付されるそうで、収入(年収換算)が住民税非課税水準の2倍以下であることが条件とのこと。

 

※4月12日8:30追記

③については推奨しているわけではありません。可能性として言及しています。解雇を行えば金銭的には有利かもしれませんが、雇い戻したとしても従業員との心の溝が残る可能性が高くなります。今まで一緒に事業を支えてくれている従業員を大切にしていただきたい気持ちに変わりありません。

⑤に関しては4/10に色々と詳細が公表になりましたが、今回は行わないようです。

 

 

荒木

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