年休の付与日を前倒しする場合の5日取得義務

20190115わかりやすい解説(年次有給休暇)

法改正となる年次有給休暇(以後:年休)の取扱いに関する内容の2回目です。

前回は、入社後6ヶ月で与えられ、以後一年ごとに付与が発生する法律上の原理原則的なお話をしました。

今回は福利厚生を目的に、或いは管理を一律にして簡便にするために、入社後6ヶ月を待たないで付与するなど、前倒して年休を付与する場合の年5日消化義務への対応について触れてみます。
【ケース1】

年休を付与する法律上の基準日は、入社6か月後の応当日になります。

しかし事業所によっては入社した時から年休を付与している場合があります。

人手不足の折に、こういった法律を上回る福利厚生を行う事業所は増えていく可能性も考えられます。

例えば図に有るように4月1日入社の場合でその日に10日の年休を付与している場合、5日の取得は法律上の付与日である10月1日を基準日にすればよいのでしょうか?

このような法定の基準日より前倒しして年休を付与しているケースでは、付与したその日から1年以内に5日の年次有給休暇を取得させていく必要があります。

20190128ダブルトラック①

【ケース2】

入社した年は入社6ヶ月後が付与日となっているが、翌年は全社統一した付与日になっている場合。

例えば入社日が4月1日の場合、最初の付与日は10月1日。
ここから1年間に5日の取得義務が発生します。

一方、全社統一として翌年以降は4月1日を基準日と定めているので、2年目は4月1日に11日の付与となると、付与すべき期間が2重になり、その期間の付与日数はどうなっていくのでしょう。

この重複機関のことを厚生労働省ではダブルトラックと呼んでいます。

20190128ダブルトラック②

この場合の対応方法は2つあります。

一つ目は通常通りの付与方法として、それぞれの期間ごとに5日取得させるとしています。
そうすると重複期間において、取得する年休は1年目の期間としての取得とするのか、2年目の取得とするのか、分けて管理していかなければなりません。

そこで、もう一つの方法として、2つの期間が重複している場合、その期間を合計して、その長さに応じた日数を取得させればよいとされています。

下図の例では1年6ヶ月の期間となりますので、7.5日を取得させればよいということになっています。

20190128ダブルトラック③
【ケース3】

ケース1に似ているのですが、入社日に10日の付与ではなく、基準日までの期間に応じて一部を付与している場合があります。

この場合には、付与日数の合計が10日に達した日から1年以内に5日の年休を取得させなければならないとされています。

なお、付与日数の合計が10日になる前に取得した年休については、10日に達した日からの1年間で取得すべき年休の日数から控除することとされています。

20190128ダブルトラック④

いやいや複雑怪奇ですね。
本当に頭が痛い話です。
今までは正直な話、従業員の年休の管理といっても、紙ベースで手作業による手作業で行っている場合が非常に多く、良くできてもエクセルベースな場合が見受けられています。

4月以降に問題となるのは、5日付与することもそうですが、従業員全員の年休の管理をどう行ってくのかという、運用上の課題があります。

次回はこの点の運用について考えてみたいと思います。

 

荒木

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