医師以外の施術を受けた場合の給付

 

みなさん、こんにちは。

社会保険労務士事務所みらいの小池です。

 

気づいたらもう12月ですね。

12月に入って、寒くなったかと思えば急に25度近くまで気温が上がったりと、

体調崩せと言わんばかりの気候ですが、皆さん体調崩されたりしていませんか。

これからインフルエンザも流行してくる時期ですので、

気を付けないといけないですね。

今年はまだ予防接種を受けていないので、そろそろ受けに行きたいと思います。

予防接種も保険が使えればいいんですけどね・・・。

 

 

さて、今回は医師以外の施術を受けた場合の健康保険の給付についてです。

どういったものが該当するかというと、柔道整復師(整骨院・接骨院)、はり・きゅう、

あん摩・マッサージの施術になります。

 

まず、柔道整復師(整骨院・接骨院)の施術についてです。

柔道整復師に係る場合は、

健康保険から療養費(原則後日保険者への申請による償還払い)として、

発生した費用の一部が支給されます。

ただし、全ての施術が療養費の支給対象となるわけではありません。

急性などの外傷性の打撲・捻挫・および挫傷(肉離れなど)・骨折・脱臼に対する施術に限られます。
※骨折・脱臼については医師の同意が必要です。(応急処置を除く)

ただの肩こり、身体のリフレッシュを目的としての利用、

病気に起因する痛み・こり(神経痛、リウマチ、ヘルニアなど)に対する施術などは

支給対象になりません。

ですので、基本的にはケガに対する施術のみが認められるということになります。

また、仕事中や通勤途上におきた負傷も当然支給対象とはなりません。

(こちらは労災になるので、健康保険の対象とはなりません。)

 

療養費として支給されますので、基本的には一旦かかった費用を全額支払い、

後から費用の請求をする流れとなります。

ですので、領収書はしっかりもらっておくようにしましょう。

柔道整復師に委任して費用請求する場合も、不正請求防止のため、

後日保険者(協会けんぽや健康保険組合)から施術内容や費用について

問い合わせがある可能性がありますので、捨ててしまったりせず、保管しておきましょう。

(はり・きゅう、あん摩・マッサージも同様です。)

 

 

次にはり・きゅうについてです。

こちらも療養費として支給対象になる場合があるのですが、条件が2つあります。

<条件1> 以下にあげる支給対象となる傷病であること

  1. 神経痛
  2. リウマチ
  3. 五十肩
  4. 頸腕症候群
  5. 腰痛症
  6. 頚椎捻挫後遺症

 ※神経痛・リウマチなどと同一範ちゅうと認められる

  慢性的な疼痛(とうつう)についても認められる場合があります。

<条件2> 医師がはり・きゅうの施術に同意していること

たとえ条件1の傷病に対する施術であったとしても、

医師の同意のない施術は療養費の対象とはなりません。

はり・きゅう以外の医師による適当な治療手段がない場合に限り

療養費として認められます。

ですので、同じ傷病に対して、医師からも投薬などの治療を受けている場合は、

療養費の対象とはなりません。

療養費と認められる場合であっても、長期にわたってはり・きゅうの施術を受ける場合は、

3ヵ月毎に医師の同意を得ることが必要となります。

 

最後にあん摩・マッサージです。

こちらも療養費の対象となるには条件があります。

<条件1> 以下にあげる支給対象となる症状であること

  1. 筋麻痺(筋肉が麻痺して自由に動かない状態)
  2. 関節拘縮(関節の可動域が制限され、曲げ伸ばしが困難になる状態)

<条件2> 医師が上記の症状の改善を目的として、

      あん摩・マッサージの施術を受けることに同意していること

ですので、疲労回復目的などの施術は対象となりません。

(これを認めていたら、みんなどんどん使っちゃいますもんね。

 保険財政が一気に悪化しそうです。)

こちらも長期にわたってあん摩・マッサージの施術を受ける場合は、

3ヵ月毎に医師の同意を得ることが必要となります。

 

 

先ほどから何度か言っていますが、基本的に、施術料については、一旦全額負担し、

後日療養費として保険者に申請して保険給付分を払い戻してもらいます。

ただし、協会けんぽでは、平成31年1月より制度が変わります

はり・きゅう、あん摩・マッサージについては、

「受領委任制度」というものが導入され、こちらに登録している施術者での施術については、

窓口での支払いの時点で一部負担金(3割又は2割)のみで済むようになります

(健康保険組合については、組合ごとに制度が異なりますので、各組合へお問い合わせください。)

受領委任制度
協会けんぽ リーフレット

 

年齢を重ねていくと、神経痛、リウマチ、筋や関節の悩みというものも

起こりやすくなりますので、うまく医師以外の施術も利用していけるといいですね。

私も四十路を超えて、肩が上がらなくなってきたのを感じているのですが、

対象は五十肩なので、四十肩はダメなのでしょうか・・・。

(調べたら、どうも同じものらしいですね。)

 

それでは、今回(そして今年)の私のブログは以上となります。

 

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

社会保険労務士事務所みらいのスタッフブログ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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