海外居住の被扶養者を見直しか?

先週、山梨県の某所にて、外国人雇用の基礎知識と題して講演をする機会を頂きました。

今行われている臨時国会にても出入国管理法改正が目玉となり、特定技能という新しい在留資格を設けて単純労働に従事する外国人労働者を受け入れようとしています。

企画自体が非常にタイムリーなこともあり、多くの方にご参加頂いた講演会でした。

大いに外国人労働者に期待する動きが高まっていまる昨今ですが、一方で気になる問題が取り沙汰されるようになってきています。

というのは健康保険の被扶養者について。

健康保険の被扶養者

健康保険法では被扶養者の範囲を図のように定めており、その認定を受けるためにこの10月からは以下のことが必要とされています。

①身分関係について戸籍謄本等の確認が必要
②生計維持関係について、被扶養者と別居の場合は仕送りの事実と仕送り額の確認が必要
③同居している場合については住民票の確認が必要

今までは本人からの申し立てにより認定を行うように原則行われていましたが、現在は証明書類に基づいて認定を行うよう、厚生労働省より事務の取り扱いについて示されています。

また被扶養者の収入については、年間収入が130万円未満(被扶養者が60歳以上又は障害者の場合は年間収入が180万円)であることが要件になります。
①から③に該当する図に示す三頭身の親族に該当する場合には、健康保険の扶養として認定されることが可能になるということです。

健康保険の扶養に認定されれば保険料が掛からないので助かります。

とても良い制度な訳ですが、これを外国人労働者が不適切に利用するケースがみられるようになってきたことが問題となってきています。

企業などに勤める人は国籍に関係なく、健康保険組合や協会けんぽが運営する被用者保険に加入し、被保険者として保険料を支払います。

被保険者の配偶者、両親や祖父母、子ども、孫らは被保険者の仕送りで生計を立てているなどの条件を満たせば、海外在住で別居でも保険が適用されることになります。

海外に在住する家族が重い病に罹り高度な治療が必要となる場合に、高額療養費が適用となる日本に来て病院で治療を受けることが可能になります。

海外に在住する日本人の家族が、現地で罹病した場合に帰国して治療を行うこともあるので、制度上の不備ということには出来ません。

被保険者が外国人でも日本人でも、海外に住む扶養家族が来日して治療を受けた場合の自己負担は原則3割で済むことになります。

また海外で治療を受けた時は、一度全額を自分で支払い、保険適用分について払い戻しが受けられる「海外療養費制度」が使えます。

外国人労働者を広く受入れようとするなか、このような制度を外国人労働者が自国に在住する被扶養者に対して利用を行うことの是非が問われているようになってきているそうです。

そのために、厚生労働省内で被扶養者の範囲の見直しとして、国籍を問わず、「日本在住」を要件とすることを検討始めたとの報道がありました。

留学生として日本に在住する場合には国民健康保険に加入するのですが、最初から留学目的ではなく治療が目的で来日し、国民健康保険を使って高度な治療を受けるというケースも問題となっていいます。

先日の報道では、国民年金についても第三号被保険者について国内居住を要件とすることを検討すると有りました。

少数の心無い外国人のために、日本人で海外に在住する被扶養者が影響を受けるとするととても残念に思います。

不適切な利用のために、世界に誇れる日本の国民皆保険制度が縮小しないことを祈っています。

 

荒木

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