「多様な正社員って何-その⑧同一労働同一賃金ガイドラインとは」

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皆様こんにちは。社会保険労務士事務所みらいの一條です。

「内定は意外とすんなり取れるけれど勤めて3年経たないうちに

半分くらいがやめちゃうんですよ」。

先日お会いした広島の私大の先生が最近の学生の就職事情について

こんなことをお話されていました。

その大学の最近の学生さんは明るくて素直な子が多いけれども、

やる気とかハングリー精神のようなものがあまり感じられないそう。

会社選びもこの会社に絶対入りたい!というより

それなりに働く条件と環境がよさそうであればいい、という感覚が強いとのことでした。

私は性格的なものが災いしてなのか、その感覚がよくわかりません。

中途ならまだしも新卒からそれを求める??

この仕事をしたいとかこの会社に入りたいとかがなければ

新人時代に仕事で辛い目にあった時にそれを跳ね除ける力が湧いてこないじゃないですか。

こういう感覚がもはや時代遅れだったり危険信号だったりするのかもしれませんが

最近の若い人、なんか大事なことを見失っちゃいないかと

昭和の人間としては心配になってしまいました。

 

さて、今回は「多様な正社員って何-その⑧同一労働同一賃金ガイドラインとは」です。

前回は短時間・有期雇用労働法が2020年4月(中小企業は2021年4月)に施行されて

短時間労働者の均等・均衡規定が法律で整備されるとお伝えしました。

ところが法律で骨格はできたけれど、中身が抽象的で

どんな待遇差がダメor良いとか具体的な内容は結局のところわかりません。

そこで、均等・均等待遇に係わる原則的な考え方や具体例は

厚生労働大臣が定める「指針」(同法第15条)で示されることになります。

この指針が

「同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台」です(2018年10月末時点の名称)。

今後のスケジュールとしては厚労省は年内にも指針を決めて公表し、

2019年4月には春闘で議論を経て、その内容が固まるとされています。

 

現時点では内容が確定されたものではなく、法的拘束力もないのですが

指針として公表されたときには会社の実務に影響が出る可能性がありますし

大事な考え方であるのは間違いないのでこちらでお伝えしていきます。

 

では、たたき台には何が書かれているのでしょうか。

正規・非正規社員の間に待遇の違いがある場合、

基本給、各手当、福利厚生、教育訓練(=待遇)の違いが

不合理or不合理でないか等の

原則の考え方と具体例(問題となる例、ならない例)

です。

主な内容として、正社員と非正規社員の待遇に

違いを認めるものは

・・・基本給と手当(賞与)

違いを認めないものは

・・・手当(通勤手当、出張手当、食事手当、皆勤手当等)と福利厚生

に分かれます。

その内容、項目別の詳細を見ると↓こんな感じです。

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違いを認めるもの

(1)基本給

賃金の決定基準(能力や経験や業績や成果や勤続年数等)や決め方のルールに違いがあるときは違いに応じた支給。ただし

①職務内容

②職務内容と配置の変更の範囲

③その他事情

が客観的、具体的な実態に照らして不合理なものでないことが条件。

能力や経験、業績などの差に応じて支給するのは良いが雇用形態で区別するのはNG。

ただし、非正規社員(有期雇用契約者)の中でも

定年後の再雇用者の場合は

③その他事情(労働組合等との交渉があったとか長期雇用が前提でないとか老齢厚生年金の支給が予定されるとか)を踏まえた上で判断

(2)手当(賞与)

①賞与⇒業績などへの貢献度に応じて支給する場合は貢献度の違いに応じた支給。

(職務の内容や貢献等に関係なく支給している会社は社員全員に支給、非正規社員に不支給はNG)

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違いを認めないもの

(2)手当

②役職手当⇒同じ役職であれば同じ支給

(同じ役職名で内容も同じであれば非正規社員だからといって役職手当を低くしてはNG

③特殊作業手当⇒危険度や作業環境が同じであれは同じ支給

④特殊勤務手当⇒勤務形態(交替制等)が同じであれば同じ支給

⑤精皆勤手当⇒業務内容が同じであれば同じ支給

⑥時間外手当・深夜労働・休日労働手当⇒同じ時間外・深夜・休日労働であれば同じ割増率で支給

(深夜・休日労働以外の勤務時間が短いことを理由に深夜・休日労働手当の単価が正社員より低いのはNG

 ⑦通勤手当・出張手当⇒同じ支給

(週4日以上勤務者には月額定期代を支給、週3日以下又は出勤日数が変動する勤務者には日額の交通費の支給でOK

⑧食事手当⇒労働時間の途中に食事のための休憩時間がある場合は同じ支給

(単純に正社員に多く支給、非正規には少なく支給はNG。昼食のための休憩時間がない労働者には支給しなくてOK)

⑨単身赴任手当⇒同じ支給要件に該当すれば同じ支給

⑩地域手当⇒同じ地域であれば同じ支給

(転勤有の社員Aと現地採用のB。Aは全国一律の基本給で転勤先の物価等を加味して手当を支給しているが、Bに手当はない。ただし、Bの基本給が地域の物価が加味されたものであれば手当は支給しなくてOK)

(3)福利厚生

⑫食堂、休憩室、更衣室⇒同じく利用を認める

⑬転勤者用社宅⇒同じ支給要件に該当すれば同じ利用を認める

⑭慶弔休暇、健康診断に伴う勤務免除、有給補償⇒同じく付与

(週2日勤務であれば勤務日の振替を基本、振替困難なときのみ慶弔休暇の付与でOK)

⑮病気休職⇒同じく付与

(有期雇用労働者の場合は契約期間の終了日まででOK)

⑯リフレッシュ休暇等の法定外の休暇⇒勤続年数で付与日数を決めている場合に短時間労働者には所定労働時間の比例付与でOK

⑰教育訓練、安全管理に関する措置⇒同じ職務内容、同じ業務環境であれば同じく対応

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正社員と非正規社員の間で職務内容等が違わなければ

時間外労働の割増率や通勤手当の支給方法など

ほとんどの項目で同じ対応が求められる可能性があります。

会社の対応としては法律や指針をどうかいくぐるかよりも

一般常識的にみて、これは問題かなと感覚的に思える

支給のルールや手当の中身は変えていこうという姿勢が大事に思えます。

 

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

社会保険労務士事務所みらいのスタッフブログ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

一條

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