多様な正社員って何-その⑦パートタイム・有期雇用労働法とは

 

denkyuu_chisanchisyou
皆様こんにちは。社会保険労務士事務所みらいの一條です。

先日、北海道で起きた地震の関係で連絡を取った函館の知人から届いた葉書に

こんな内容が書かれていました。

「2日間の停電にイライラした自分を今は恥じています」

生まれたときから電気や水道が使えることが当たり前。

使えなくなってその有難さや大切さを痛感したのだと思います。

今の自分を振り返っても、つけっ放し出しっ放しの生活。

資源を大事に、そして感謝を忘れずにというメッセージを受け止めて

身の回りでできることから見直してみようと思います。

 

今回は「多様な正社員って何-その⑦パートタイム・有期雇用労働法とは」です。

前回は「短時間正社員」に焦点を絞って

短時間労働者の均衡待遇の考え方を確認しました。

雇用形態間の待遇格差の是正に関しては

働き方改革の柱の一つになっている大事な内容なので

今回も引き続きお伝えしたいと思います。

 

今回は6月に成立し7月に施行された働き方改革関連法の一つで

現行のパートタイム労働法の改正法となる

いわゆる「パートタイム・有期雇用労働法」で定める

均等・均衡待遇のルールに絞ってみていきます。

 

今回の改正が行われた目的は

正規労働者と

非正規労働者(=パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)間の

不合理な待遇差を無くすことです。

 

そのため、対象者にパートタイム労働者のほか

有期雇用労働者(契約社員、嘱託社員等)が加わります

(このブログでは派遣労働者は省略させていただきます)

 

内容についても

不合理な待遇差をなくすための規定が整備されたり、

労働者に対する待遇に関する説明義務の強化されたりしています。

 

では、改正により何が変わり、会社は何に気をつけなければならないのでしょうか。

まとめると主に下記3つになります。

 

①差別禁止(均等待遇)に有期雇用労働者が含まれるようになる

・・・正社員並みの契約社員、嘱託社員がいる会社は注意

 

「基本給、賞与」など個々の待遇に、差別や不合理な待遇差が禁止される

・・・個々の待遇に差別や不合理な待遇格差がないか一つずつ見ていく作業が必須

 

③労働者から待遇差の内容や理由を聞かれたら説明しなくてはならなくなった

・・・待遇が違う場合は理由を説明できるよう備える

 

①から順にみていきましょう。

 

有期雇用労働者に関しては

現在は均衡待遇の規定(労働契約法第20条)があるだけで

均等待遇の規定はありません。

そこで改正法に有期雇用労働者を含めることにより

非正規労働者全体の均等・均衡待遇を図ることになります。

(改正により労働契約法20条は改正法8条に盛り込まれて削除されます)

 

雇用形態別に適用される改正前後の規定はこちら↓

均等均衡待遇

(図は厚生労働省「パート労働ポータルサイト」ウェブから)

 

不合理な待遇差か、差別的な取扱いか否かを判断する基準について

均衡待遇(不合理な待遇差の禁止)

1.職務内容(業務の内容+責任の程度)

2.職務内容・配置の変更の範囲

3.その他の事情

の違いを考慮した上で、不合理な待遇差があれば禁止(改正法8条)

 

均等待遇(差別的取扱いの禁止)

1.職務内容(業務の内容+責任の程度)

2.職務内容・配置の変更の範囲

が同じ場合は差別的取扱いを禁止(改正法9条)

となります。

 

有期雇用労働者も差別的取扱いの禁止の対象になるため

非正規労働者のうち、正社員並みに働いている契約社員や嘱託社員がいる場合は

1.~2.について正社員との違いがはっきり区別できているか確認する必要があります。

 

続いて②。

これまで不合理な待遇をしてはダメと言われていても、

どのような待遇はダメか具体的には書かれていませんでした。

改正により詳細が示されることになります。

 

待遇差の良し悪しを判断するカギとなるのが

同一賃金同一労働ガイドライン案」です。

ガイドライン案は基本給、賞与のほか、各手当(役職手当、家族手当等)の

この待遇差は良いか悪いかを例を挙げるなどして示しています。

ガイドライン案はまだ確定ではなく、今後労働政策審議会の審議を経て定まります。

 

最後に新設の③。

パートタイム労働法では雇い入れ時に賃金、福利厚生など説明義務はありますが

均等・均衡待遇の差についての質問に対する回答は任意でした。

労働者の納得性を高めるために

会社は待遇差の内容や理由に関して労働者から説明を求められた場合は

その理由を説明しなければならなくなりました(改正法14条1項)。

説明義務.png

(図は厚生労働省「パート労働ポータルサイト」ウェブから)

 

これも対象者がパートタイマーだけでなく、有期雇用労働者まで広がるため

特に正社員並みの働き方をしている非正規労働者がいる場合には

違いが説明ができるかを確認する必要があります。

 

改正法は大企業は2020年4月1日から、中小企業は2021年4月1日から

適用されます。

 

雇用形態で異なる基本給や手当一つ一つの確認をし

待遇差の理由を求められた際に説明をしなければならない点で

会社にとってハードルが高い内容になります。

まだまだ先のことと捉えず、今から準備をしておくことをお勧めします。

 
次回は「多様な正社員って何-その⑧」をお伝えする予定です。

 

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

社会保険労務士事務所みらいのスタッフブログ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

一條

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