年休が最大100日に?

懐中時計

年次有給休暇の時効は2年とされています。今年付与された日数に加えて、昨年に付与され未消化だった分を加えます。

勤続年数が6年6か月以上の方は一年の付与日数が20日ですから、最長で40日になっています。

これが最長で100日になるかもしれない議論が進んでいます。

 

労働基準法第115条では時効について下記のように定めています。

この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は二年間、この法律の規定による退職手当の請求権は五年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。

年休の時効についてもこの条文が適用され、故に前年度分までの繰り越しが認められている訳になります。

 

労働基準法は労働契約に関する民法の特別法と位置づけされ、民法で定めていることを別途特別に定める位置づけになっています。

例えば労働契約の解除については民法では2週間前であれば良いとされていますが、会社側から雇用契約を解除(解雇)する場合には、一か月前の予告をしなければいけないことを労働基準法では定めています。

従業員が申し出する場合について、労働基準法では定めがありません。

このため、退職の申し出を従業員が行うときは民法が適用され2週間前で良く、会社側は労働基準法が適用され1か月前が必要とされています。

 

時効についても民法においては短期の消滅時効の1年とされていたので、労働基準法では労働者を保護する目的で2年とされています。

年休についてもこの労働基準法第115条が適用されています。

 

昨年5月に成立した改正民法では、短期の消滅時効が廃止され、5年の時効にされることになりました。

そのため労働基準法第115条の取扱をどうするべきかについて、昨年末より厚生労働省に設置した賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会において、その取扱いが議論がされています。

公表されている資料を見ると、時効の議論では、賃金についてと年休の取扱いとが大きく取り扱われているようです。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000189822.pdf

 

年休取得の実態として、消化率が半分程度になっているなかで、5年に延長することは非常に大きな負担となる可能性があります。

より年休の取得促進につながるという意見もある一方で、未消化の場合だと最大100日の年休を退職時に取得したいという申し出が出る可能性があります。

特に最近の若い世代の退職傾向を見ていると、年休を消化して退職することが当たり前になってきています。

もし年休の時効を5年となったとして、退職時に全部消化して辞めたいという申し出をどうするべきか、大きな問題になるのではと懸念します。

例えば「12月31日に退職したい、ついては8月から12月までを年休の消化に充てたい。」というような要望が出てくることが予想されるということです。

先回のコラムにおいて、私傷病にて長期休む可能性がある場合に、すでに時効になった年休を特別に復活させる制度のような使い方が出来れば労使双方にとって良いことになるでしょう。

しかし退職時にまとめて消化となると、雇用の流動性の確保の問題や、雇用する側の負担の大きさなど考慮すべき点が大きいと感じます。

そうなると年休の買取りという考えかたhttps://goo.gl/YdiUaDを参考に、買取りを基本に進めていくことになるのでしょうか。

賃金の時効延長については、未払い残業代請求への影響と相まって、非常に大きな問題です。

厚労省の検討会が今年の夏をめどに議論の取りまとめを行うとしていますので、しばらく注目していきたいと思います。

 

荒木

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