多様な正社員って何-その⑤-転換制度

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皆様こんにちは、社会保険労務士事務所みらいの一條です。

たこ足配線が原因で火災になるという話は聞いたことがありました。

つい先日、久しぶりにテレビ周りを掃除しようと

テレビ台を動かしたらコンセント付近に黒い影が。

「虫?!」

と思ってよく目を凝らして差込口を見ると

差し込んでいた延長コードの先がこげ茶色に焦げている・・・。

慌ててコンセントから配線をひっこ抜くと配線の先が一部溶けて変形していました。

あぶなかったー。

思い当たる原因、ないようなあるような。

10年以上使っていたこと

6箇所の穴すべてにコンセントを差し込みっぱなしだったこと

掃除も頻繁にしていなかったこと、くらいでしょうか。

(あ、けっこうある・・・)

たまたま気が付いたので良かったですが、気が付かなったら

どうなっていたかと想像するとぞっとしてしまいました。

とりあえず家中のほぼすべての延長コードを買い替えて安心ですが

こまめな掃除と定期的な買い替えはサボってはいけないですね。

 

さて、今回は「多様な正社員って何-その⑤-転換制度」。

フルタイム正社員から多様な正社員への転換を中心に

転換制度を導入する際の留意点についてみていきます。

 

ある顧問先様では育児休業明けの女性正社員ほぼ全員が

パートタイマーになります。

転換制度はあるけれど

非正規社員からフルタイム正社員への転換のみで

ほぼ活用されていません。

コースの変更には本人も納得はされているのでしょうが

正社員と非正規社員の働き方の開きが大きければ、

制約がある働き方しかできない状況になった従業員は

辞めるか、パートタイマーになるかの二択しかありません。

 

労働契約法第3条第3項は

「労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする」と規定しており、局長通達によると、この配慮義務は様々な雇用形態や就業実態を広く対象とした規定であることから「多様な正社員への転換制度も含まれる」と示しています。(平成26年7月30日、基発0730第1号)

 

ある労働者に対しては

多様な正社員への転換制度を設けること自体が

ワーク・ライフ・バランスの実現を図るための環境を提供する

ことに繋がります。

転換・図

(厚生労働省パンフレット『勤務地などを限定した「多様な正社員」の円滑な導入・運用に向けて』より)

 

では、転換制度がある企業の転換の条件をみてみましょう。

↓図の厚生労働省資料「『多様な形態による正社員』に関する研究会報告書(企業アンケート調査結果」)によれば、

転換条件

・上司による推薦や選考に合格

・転換後に担当する仕事の範囲に必要なスキルがある

・自社での勤務成績が基準を満たす

・自社において一定の勤続年数がある 等々。

 

転換する際には一定の基準を設ける企業が多いことがわかります。

それもそうですよね。

無条件無制限にしてしまえば、

希望者増加によって要員計画の修正が必要になったり

勤務シフトが組みづらくなったりという問題も出てくる可能性があります。

 

同報告書の企業アンケートからも

導入した企業が挙げた運用上課題として

・若年層の狭域勤務希望者の増加により、定員設定が必要となり、人事の全体最適配置が困難

・転勤しないいわゆる正社員と同じ仕事をしている多様な正社員からの処遇格差に対する不満

・限定された職務を行う短時間正社員制度の活用のあり方(夜間営業時間の勤務シフトが組みづらい)

・会社として幅広く活躍することを期待する役割と、本人の価値観や事情とのマッチング(折り合い)

などがありました。

 

これらを踏まえながら転換制度を円滑に運用するためのポイントを整理すると

 

転換制度への応募資格、転換要件、実施時期、回数制限等について制度化する

・・・転換を無制限にしてしまえば要員配置計画に影響が出るため

就業規則に明記、労働者へ周知

・・・運用だけであれば労働者間の不公平感の原因になるため

労働条件が大きく変更する際には本人の同意を得る(雇用契約書を交わす)

・・・賃金が大幅に下がる場合は不利益変更になる可能性があるため

 

になります。

 

・・・正直なところ、導入するきっかけがない限り

導入そして制度化には骨が折れそうなので断念、という企業もありそうです。

 

働き方に制約ができてしまった従業員がいたときには

転換制度が良いかというと、必ずしもそうではありません。

たとえば育児休業や介護休業などで一時的に短時間勤務になったり

時間外労働ができなくなったりした場合は

育児介護休業法による短時間勤務の申出や所定外労働の免除申請で

対応できることも多く、転換しない方が望ましい対応になります。

コースの変更ではなく労働条件の変更とした方が、

将来的な昇進や昇格への影響は小さいと考えられ

労働者のモチベーションダウンには繋がらないからです。

 

企業は人材確保や定着の必要性に迫られ、

労働者は働く意識が多様化しているような状況では

正社員と非正規社員という二極化した制度ではいずれ限界があるように思えます。

企業が働き方の選択肢を増やすという視点も大事になってくるような気がします。

 

次回は「多様な正社員って何-その⑥-均衡処遇」

をお伝えする予定です。

 

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

 

社会保険労務士事務所みらいのスタッフブログ。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

一條

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