産休・育休明けの社会保険料

youchien_sanpo

皆さまこんにちは、社会保険労務士事務所みらいの土屋です。

新年度になり3週間が経ちましたね。

この時期はいつも、子供たちの新しいクラスはどんなお友達がいるのか担任の先生はどんな方なのかとソワソワしているのですが、今年は仲良しメンバーが多く先生も安心できる方で、母はほっとしております…。

 

たくさんの人が新しいスタートを切るこの4月。ご自身の立場はこれまでと変わらなくても、職場に新入社員が入った、子供が入園・入学したなど、周りに変化がある方も多いのではないでしょうか。

弊所の顧問先様でも、この4月に新たに従業員を迎えられた会社様が多いです。

 

そしてもうひとつ多いのが、この4月に育児休業から復帰した従業員がいる会社様。

そう、昨今の保育園事情では年度の途中から預け始めることが難しく、年度初めの4月から保育園に入れる=4月から復帰、という方がとても多いんですよね。(「多い」というか、ほとんどといっても良いかもしれません。。)

 

さて、そうして育児休業を終えて復帰された場合、いきなり「フルタイム残業あり!」という働き方に戻ることが難しい方もいらっしゃると思います。残業無しで定時退社にしたり、時短勤務で働く方も多いです。

そうなると当然、出産前に「フルタイム残業あり」で働いていたころよりもお給料は減りますよね。

では社会保険料はどうなのか?というと…

お給料が減っても、次の算定基礎届で新しい標準報酬月額が決定するまでの間、社会保険料は産休育休に入る前と同じ金額です。

 

え~~、それって負担が大きいなぁ…。

と思っちゃいますよね。

 

そんなとき、復帰後の収入額に合わせた社会保険料に変更できる届け出があります!

 

それは、「育児休業等終了時報酬月額変更届」。

 

こちらを提出すると、復帰月を含めた3ヶ月間の報酬の平均額に基づいて新しい標準報酬月額が決定します。

4月復帰の方は、4月・5月・6月の3ヶ月間の報酬額で新しい標準報酬月額が決まり、7月から適用(翌月控除なら8月給与から変更)となるのです。

 

通常の随時改定と流れは同じですが、異なるポイントがいくつかあるので整理していきましょう。(下図:社会保険労務士事務所みらい作成)

文書

通常の随時改定と比較すると、かなり条件が緩和されていますね。
1等級でも改定できるので、多くの方が当てはまるのではないでしょうか。

 

もうひとつのポイントとしては、通常の随時改定では条件に当てはまった従業員がいた場合、事業主が届け出を行わなければなりませんが、育児休業終了時の改定は「被保険者からの申出を受けた」事業主が届け出を行うこととなっています。

つまり、必ず届け出なければならないわけではないのです。

 

例えば…

○標準報酬月額が上がってしまうとき。
⇒届け出を行わずに従前の低い標準報酬月額のままとしても問題ありません。

○標準報酬月額は下がるけれども、下げたくないとき。
⇒標準報酬月額が下がるということは、標準報酬月額を元に計算される給付(健康保険の傷病手当金や出産手当金)も低い金額で支給となってしまいます。それを避けたければ届け出をしなくても問題ありません。

 

いずれにしても、7月の算定基礎届で実情にあった標準報酬月額が決定されるので短期的なものではありますが、届け出をするかどうか選択できるという点を知っておいて損はないと思います!

 

それから、ときどき発生するのが「支払基礎日数が足りず届け出できなかった」というケース。

上の表にもある通り、支払基礎日数17日以上の月が少なくともひと月無いと届け出ができません。

3ヶ月あればひと月くらいは…と思うかもしれませんが、「月末締め/翌月25日払い」の会社の従業員が4月20日に復帰した場合を考えてみましょう。

4月が復帰月ですから、4月・5月・6月の3ヶ月で見ます。
4月の給与は3月末までの勤務分なので、休業中ですから当然ゼロですよね。
5月の給与は4月20日~4月30日分なので、17日はクリアできません。
そうすると、6月の給与(5月勤務分)で必ず17日ないといけないのです。

月給制で勤務されている方ならあまり問題ないかもしれません。でも育休明けはしばらく時給制で…なんていう場合は実際の出勤日数になりますので、祝日が多かったりお子様の体調不良でお休みしたり、ということが重なると17日に満たないことも出てきてしまうのです。

育休明けの改定を考えていらっしゃる方は、この点少し注意してみてくださいね。
※産休明けですぐに復帰される方も育休と同じ条件で改定できます。

 

最後に、育児休業終了時の改定と関連してひとつ。

お給料が下がったから、社会保険料も下げられてひと安心!…なんですが。

社会保険料が下がるということは、将来もらえる年金額も下がるということをご存知ですか?

そう、厚生年金の支給額は、ざっくり言うとそれまでの標準報酬月額と加入期間に応じて決まるのです。つまり標準報酬月額が下がるということは、年金額も下がるということ。

でも、大事なお子さんの子育てのために勤務時間を減らして、そのせいで年金が減っちゃうなんて切なすぎますよね…。

 

そこを助けてくれるのが「養育期間標準報酬月額特例申出書」です。

 

これは、「お子さんが3歳になるまでの間に標準報酬月額が下がっても、将来の年金額は以前の高い方の標準報酬月額で計算しますよ~」というもの!

保険料は減っても年金は減らない!!

これも被保険者の申し出により提出することとなっていますので、自動的に適用されるわけではありません。届出をしないでいると年金は減ったまま…。

住民票や戸籍謄本などの添付書類は必要になりますが、ぜひこちらの届け出もセットで行っていただくと良いと思います^^
※詳細は、年金機構HPよりご確認ください ⇒ こちら

 

ちなみに、育児休業終了時の改定も標準報酬月額の特例も、女性に限った制度ではありません。男性だって対象となります。

育児休業を取得して、残業しないで早く帰るパパ…。
社会保険料の支出は抑えて将来の年金は減らさない。
なんて理想的な夫なんでしょうか。

そんな人が、働きやすくたくさん増えていく社会になるといいなぁ。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

「人」と「組織」と「社会」のみらいへ
社会保険労務士事務所みらいのメンバーブログを、
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

土屋

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