健康保険の給付その4 出産に関する給付

みなさんこんにちは。

社会保険労務士事務所みらいの小池です。

 

3月後半の横浜は、真冬並みの寒さが戻り、雪が降ったかと思えば、

今度は夏日近くまで気温が上がり、

桜があっという間に満開になるという極端な天気でした。

みなさん体調を崩されたりしていませんか?

私は2週間程前から風邪気味(喉だけなのですが)で、

なかなか咳が治らず、苦しんでおります。

朝方と寝る直前(横になった時)が特に酷くなるんですよね。

花粉の影響で、いつも以上に口呼吸になってしまっているのが原因なのでしょうか。

新年度となり、入退社の手続きが多くなったり、

労働保険の年度更新作業が始まったりと社労士事務所としては忙しくなりますので、

早く体調を万全にし、迎え撃ちたいと思います。

(でもお花見とか誘惑が多いんですよね、この時期。花より団子派ですけど・・・。)

 

 

さて今回は健康保険の出産に関する給付についてお話したいと思います。

健康保険での出産に関する給付は2種類あります。

1つめは「出産育児一時金」、2つめは「出産手当金」です。

 

まず「出産育児一時金」についてです。

こちらは、被保険者が出産したときに支給されます。

ここでいう出産は妊娠4ヶ月(85日)以上の出産のことで、

生前、死産、流産(人工流産を含みますが、経済的理由での中絶は含まれません)、

早産を問いません。

また業務災害に起因する流産等であっても、妊娠4ヶ月以上であれば、

出産育児一時金が支給されます。

健康保険の被保険者の資格を喪失した方でも、

資格喪失の日の前日(退職日等)までに被保険者期間が継続して1年以上ある方が、

資格喪失日から6ヵ月以内に出産したときは、出産育児一時金が支給されます。

(新たに健康保険の資格を取得した場合は、いずれか一方からのみの支給となります。)

 

出産育児一時金の支給額は1児につき40万4,000円となります。

産科医療保障制度(詳しくはリンク先へ)に加入している病院等で出産した場合は、

1児につき1万6,000円が加算※されます。

(産科医療補償制度の対象でない、妊娠週22週未満の出産や、

海外での出産等の場合は加算されません。)

※加算額は1児につき3万円を超えない範囲で保険者が定める額、

となっていますので、今後変わる可能性があります。

ですので、現在は最高で1児につき42万円が支給されることになります。

産科医療制度加入機関
産科医療補償制度のマーク

産科医療保障制度に加入している医療機関には上記のようなシンボルマークが

掲示されておりますので、受診の際の参考とされてはいかがでしょうか。

 

出産育児手当金の受け取り方法には、いくつか種類があります。

1つ目は出産後、被保険者当がご自身で支給の申請をして、ご自身で受け取る方法です。

この場合、医療機関等でかかった出産費用は一旦全額ご自身で支払い、

後日、出産育児一時金を受け取ることとなりますので、

出産費用の負担が一時的に大きくなります。

また、この後説明する「直接支払制度」を利用しない旨の合意文書に署名する必要があります。

 

2つ目は、医療機関等が被保険者等に代わって支給申請および受け取りを行う、

「直接支払制度」という方法です。

こちらは医療機関等に直接出産育児一時金が支払われるため、

出産時の費用負担は出産育児一時金との差額のみとなり、負担が軽減できます。

こちらの制度を利用するには、事前に医療機関等と代理契約を締結する必要があります。

(代理契約は、直接支払の同意文書に署名するというパターンが一般的なようです。)

現在では、こちらの方法を取る方が多いのではないでしょうか。

出産費用が出産育児一時金の額よりも少なかった場合は、

差額を保険者(協会けんぽや健康保険組合)に請求することになります。

 

3つ目として、直接支払制度とは別に「受取代理制度」という方法があります。

こちらは、被保険者等が事前に医療機関等を受取代理人として保険者に申請し、

医療機関等が直接出産育児一時金を受け取る制度です。

こちらが利用できるのは厚生労働省へ届出を行った一部の医療機関等になりますので、

そう数は多くないかと思います。

 

健康保険組合の中には付加金という形で出産育児一時金に上乗せして給付を

行なっているところもあります。

その場合、出産後に付加金の支給申請を健康保険組合にすることとなります。

付加金の申請時に出産費用の領収書、

直接支払制度に合意もしくは合意しない旨の文書の添付が必要となりますので、

誤って捨ててしまったりしないよう気を付けましょう。

 

なお、出産育児一時金は被扶養者に対しても「家族出産育児一時金」という形で

同様の額が支給されます。

(資格喪失後に被扶養者だった家族が出産した場合は、支給されません。)

 

 

次に「出産手当金」についてご説明します。

こちらは産前産後休業中の所得保障として支給されます。

被保険者(任意継続被保険者は除かれますが出産した際に、

出産の日(出産の予定日)以前42日(多胎妊娠(双子や三つ子など)の場合は98日)から

出産の日後56日までの間で、労務に服さなかった(働かなかった)期間に対して、

出産手当金が支給されます。

 

さて、ここで土屋さんの前回のブログで使用された、

産前産後休業期間の図を見ながら、

出産手当金を受けられる期間についてご説明したいと思います。

 

まずは予定よりも早く出産した場合です。

文書

出産予定日通りに生まれた場合は、原則通り、

出産日以前の42日と出産日後の56日、計98日間に対して出産手当金が支給されます。

 

予定日より10日早く生まれた場合は、その分産前休業部分が短くなり、

出産日以前の32日(上図の実出産日から②までの部分)、出産日後の56日、

計88日間に対して出産手当金が支給されます。

ちょっと損をした気分になりますが、赤ちゃんは待ってくれないので仕方がないところです。

 

そしてここでもの部分に注目です。

この部分、体調が優れなくて産休開始日前から

欠勤していた場合(賃金が発生しない場合)は、

出産手当金の支給対象とすることができます。

出勤していたり、年次有給休暇を取得していた場合は、

その分の賃金が支払われる(所得保障の必要がない)ので、

出産手当金の支給対象とはなりません。

 

次に予定よりも遅く出産した場合です。

文書③

出産が予定日より10日遅れた場合、出産の日以前42日は②となるので、

ここから産前休暇となります。

しかし実際には、出産予定日に合せて産前休暇を①(出産予定日以前42日)から

取り始めているため、の部分の差が生じます。

このような場合、の部分は産前休暇に含めることとなっています。

実出産日以前52日(①から実出産日まで)と、出産日後56日の、

計108日間に対して、出産手当金が支給されることとなります。

予定日より遅れた方がお得な感じがしますが、

出産される方からしたら、それどころではないのでしょうね。

 

支給額については、前回取り上げた「傷病手当金」と同様となります。

傷病手当金支給額

全国健康保険協会(協会けんぽ) リーフレットより

支給開始日以前の期間が12ヶ月に満たない場合に比較する、

28万円(当該年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の

標準報酬月額を平均した額)は、協会けんぽの場合の金額となります。

健康保険組合の場合は、異なる場合がありますので、各健康保険組合へご確認ください。

 

出産手当金を受けることが出来る期間に、報酬(賃金)の全部または一部を受ける場合は、

出産手当金は支給されません。

ただし、報酬の額と出産手当金の額を比べ、出産手当金の額より少ない場合は、

差額が支給されます。

 

出産手当金を申請する際には、傷病手当金の際と同様に、

医師もしくは助産師の証明(出産日・出生人数等)と

会社の証明(産前産後休業を取得していた期間の証明と、

その期間に支払った賃金に関する証明)を貰う必要があります。

 

以上が健康保険での出産に関する給付となります。

今の日本は少子高齢化が急速に進んでいる状況ですので、

今後、出産・育児に関する給付や休業などの制度は、

手厚くなっていく可能性が高いですね。

もっと日本が子供を産んで育てやすい社会になるといいなと思います。

 

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

社会保険労務士事務所みらいのスタッフブログ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

w

%s と連携中