年休の買取りについて

お金を見つめてニヤけている男性

年次有給休暇(以下:年休)の質問で非常に多いのが、買い取りに関することです。

従業員が退職するときに年休を買い取って欲しいと言われるけど、どのように対応するべきなのか、とい
うご質問がその典型です。

そもそも年休の買い取りは法律上出来るのでしょうか?

 

年休は労働者の健康で文化的な生活の実現に資するために、労働者に対し、休日のほかに毎年一定日数の休暇を有給で補償する制度である、とされています。(労働法:菅野和夫著)

1936年のILO47号勧告では、年休制度の趣旨は「休息、娯楽及び能力の啓発のための機会の確保」と規定されております。

菅野先生の学説やILOの趣旨から考えるに、年休を買い上げるということはその趣旨に反することになり
ますよね。

年休は休むためのものであり、お金に変えることは出来ないということで、年休を買い上げることは、労
働基準法違反となるとして原則禁止されています。

 

年次有給休暇の買い上げを予約し、これに基づいて労働者が請求し得る年次有給休暇日数を減じまたは請求された日数をあたえないことは、本条違反である。(S30 基収4718)

 

そのため年休を消化しないことを、消化したとする目的で、金銭的に買い上げをすることは出来ません。

現在予定されている労働基準法の改正内容に、年休の最低5日の消化義務がありますが、これを消化させることが事業主に出来ないからと言って、お金で買い上げしたいとの相談がありますが、出来ない相談ということになってしまいます。

 

しかし以下の場合に限っては、例外的に年休の買い取りが認められています。(労働基準法コンメンタールより)

①労働基準法が定める日数を超えて与えられている年休の日数を買い上げること
②時効や退職等で年休を取得する権利が消滅するような場合に、残日数に応じて買い上げること

 

特に相談で多いのが冒頭にもあった②の退職時ケース。

退職時に関して年休を買い上げすることについては、労働基準法違反にはならないと判断されていますので、問題が無いということになります。

買い上げする金額に関しては、法令等で判断基準が示されていることはありませんので、会社が任意に決定することが出来ます

また買い上げをすることは会社の義務ではなく、買い上げすること自体会社が任意に決定することが出来ます。

 

しかし最近の相談事例を見ていると、もともと従業員から年休を消化して退職したいと要望があったが、
引継ぎなどの理由で会社側が要望し退職日を伸ばすことがあります。

そのため次の働き口に勤め始める期日ギリギリまで勤務してもらう場合などについては、年休を消化できなかった場合などについては、買い上げをすることを条件にすることがあると思います。

 

退職時の年休の買い上げは可能ですが、義務ではなく任意であり、その金額についても任意に決めても構わないということですが、何らかの基準を設けておくことは、適正な運営上、必要なことが多いと思います。

 

任意だからこそ、買取するかしないか、どのような場合、いくらで買い取るのか、会社として決めておく
ことをお勧めします。

 

荒木

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