多様な働き方って何-その③

無題

皆様こんにちは、社会保険労務士事務所みらいの一條です。

3月に入り、多少肌寒い日はありますが、日増しに暖かさを感じるようになりました。

春ですね。春、といえば卒入園・卒入学式の季節。

今年も昨年と同じ保育園に通わせるので式には縁がないと思っていたら

園から、入園式と「進級式」をしますので全園児の保護者は出席を、とのこと。

3箇所目の保育園ですが、進級式というものに参加するのは初めてです。

「式の後に保護者会役員の選出、クラス懇談会をします」。

・・・そういうことか。

当日はひっそりと身を潜めて時間が過ぎるのを待とうかな。

 

さて、今回は「多様な働き方って何-その③」です。

昨年秋に福岡で開かれた「多様で安心できる働き方シンポジウム」

(厚生労働省委託事業)で紹介された

パートタイマーから正社員への転換制度を早く(今から10年以上前)から

導入した企業の取り組みを取り上げたいと思います。

 

 

紹介する企業は北海道の新千歳空港近くの工場団地内にある

大豆製品の製造・卸売業の中小企業です。

従業員数は70人弱、そのうち7割近くがパートタイマーです。

 

そもそも転換制度を導入するきっかけとなったのは

同社が抱えていた「人手不足問題」を乗り切るためでした。

同社近郊には時給や待遇面が良い大手食品会社も多く

優秀なパートタイマーが流出してしまい

新規採用も難しい状況だったそうです。

 

問題を乗り切るために目をつけたのは

従業員の大半を占める「パートタイマー」を

なんとか定着させて、能力を引き上げることでした。

具体的に取り組んだのは

教育面、待遇面、賃金面の改善。

 

教育面では何をしたかというと、

パートタイマーには行っていなかった

月1回部外講師を招いた研修会に参加させました。

豆製品の品質には製造過程での温度調整や時間管理が

大事らしいのですが現場のパートタイマーのほとんどが

知らなかったそう。

「現場がこれではマズイ」と社長が強く思い

研修会を通して品質・衛生・安全の知識を得てもらうことを決めました。

人が少ない中でも季節の繁忙に対応できる体制にしていきたい

という狙いもあり、そのためには

一つのラインだけではなく、複数のラインでの業務も覚えてもらわなければならず

教育に力を注ぐことは欠かせなかったそうです。

 

 

教育!教育!だけでは従業員の負担が増して不満も出てくるので

介護や育児休暇の取得、健康診断の全員受診(費用は会社負担)、

慶弔関係を社員と同じように整えました。

この中のいくつかはパートタイマーが利用したいと希望していた待遇面の

改善だったので有難がられたそうです。

 

そして賃金面。

これまでは働きがいいなと思った人だけ時給を上げる、上げ幅もその時々で決める、

そんな会社の対応への不平・不満が大きかったこともあり

透明化・公正化を図ろうとパートタイマーだけの評価・昇給制度を作りました。

昇給を制度に基づいて行ったところ

不満解消に加えて、従業員自身がどんな業務ができると昇給できるのか

をわかるようになり目標を持って働く人が

増えたという効果も得られたそうです。

 

これらの制度改革のあとに

2007年にパートタイマーから正社員への転換制度を導入しました。

人材定着の強化と近郊他社との差別化を図る目的で取り入れた制度は

すっかり定着して毎年に1-2名は正社員に転換しているそうです。

転換制度があるから、と言って他社から移ってきたパートタイマーも実際にいたそうです。

 

これらの制度改革成功の裏には

従業員の密なコミュニケーションを取ったことが大きかった、と社長は言います。

 

制度導入前にパートタイマーの意見を聞く為に

記名や無記名のアンケート、小グループに分けた懇談、ランチミーティング

個別面談、集団での対話集会などこまめに開いて

出勤退勤時間も違う、他の人がいると意見を言いづらい

などの状況でも意見を聞けるようにしました。

 

 

そこまでして意見を聞こうとしたのは

過去に従業員の意見を聞かずに人事制度として取り入れたものが

制度自体が難しすぎて現場で運用ができなかった

現場のニーズに合ってなかった

という過去の失敗があったためだそうです。

 

そして従業員が他社に移りやすい環境にさらされている場合は

自社の従業員のニーズを把握したり不満を抑えることも

他社に従業員が流れるリスクを減らすために

大事と捉えているようでした。

 

制度改革を成功・定着させるカギは「労使間のコミュニケーション」「見える化」だ、

と言われることもありますが実現には一言で簡単に言い切れないような

会社の地道な努力があるのだなと感じました。

 

紹介した企業も含めて非正規社員の正社員化、処遇の改善、人材育成

多様な働き方の推進などに取り組む企業は

多様な人材活用で輝く企業応援サイトでも事例紹介され、

業種や企業規模により取り組み事例を探せるようになっています。

会社の取り組みのほかに転換や処遇改善した従業員のコメントも載っています。

 

 

次回は「多様な働き方って何-その⑤」です。

多様な正社員の雇用管理についてお伝えする予定です。

 

 

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

 

社会保険労務士事務所みらいのスタッフブログ。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

一條

 

 

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中