健康保険の給付その3 傷病手当金

みなさんこんにちは。

社会保険労務士事務所みらいの小池です。

早いものでもう2月も終わりを迎え、間もなく3月です。

 

平昌オリンピックもあっという間に終わりを迎えてます。

時差もなく、比較的見やすい時間帯に試合を行っていたため、

メダルを獲得した羽生選手や宇野選手のフィギュアスケートフリーの演技や、

女子パシュートの準決勝・決勝も見ることが出来ました。

それ以外で見ていたのが男女のカーリング。(ほぼ毎晩中継していましたね。)

頭も身体も使うスポーツで、見た目以上にハードなんでしょうね。

女子チームのおやつタイムも注目されていましたね。

ブログを書いている時点では男子チームは惜しくも予選敗退、

女子チームは何とか準決勝進出となっています。

女子チーム、メダル獲得できるといいですね。

それにしても既に冬季オリンピックで長野オリンピックを超える過去最多のメダル獲得数、

素晴らしいです。

(長野オリンピックが既に20年前ということに驚愕する、長野出身の私でした・・・。)

 

 

さて、今回は傷病手当金についてお話をしたいと思います。

傷病手当金は健康保険の被保険者(任意継続被保険者は対象外)が

病気やけがにより働けなかった際の、所得保障として支給されます。

 

まずは支給の要件から見ていきましょう。

 

(1)業務外の事由による病気やけがの療養のための休業であること

療養のため」とは、健康保険の給付として受ける療養だけでなく、自費で受けた診療、

自宅で療養している期間も医師の証明などがあれば含まれます。

業務上や通勤災害によるものは、健康保険からではなく、

労災保険から給付(休業(補償)給付)が行われるので対象外となります。

美容整形についても、病気とみなされない為、給付の対象外となります。

 

(2)労務不能(仕事に就くことができない)であること

仕事に就くことができない状態かどうかは、医学的な基準のみで判断するのではなく、

被保険者の本来の業務に耐えられるかどうかということについて、

社会一般の常識に基づいて判断されます。

 

(3)継続する3日間の待機期間を満たしていること

業務外の事由による病気やけがの療養のため仕事を休んだ日から継続して3日間経った後の、

4日目以降の仕事に就けなかった日について、傷病手当金が支給されます。

20130204-171924
全国健康保険協会(協会けんぽ)より

 

継続する3日間の待機期間を満たす必要があるため、

上図の一番上のパターンでは、傷病手当金の給付は受けられません。

真ん中、一番下のパターンの場合は、継続する3日間の待機期間を満たしているため、

4日目の休業日より、傷病手当金が支給されます。

 

待機期間の起算日(数え始める日)ですが、原則は労務不能になった日からとなります。

ただし、業務終了後に労務不能となった場合(帰宅した後に発病など)は、

翌日からの起算となります。

 

3日間の待機期間中は、傷病手当金は支給されませんので、年次有給休暇を充てることが可能です。

(4日目以降も有給休暇を充てる場合は、その期間は傷病手当金は支給されません。

理由は後ほど述べます。)

 

待機期間の計算は同一の傷病等について1回のみ行いますので、

先ほどの図の真ん中のパターンのように、待機期間完了後、1日就労し、

その後また労務不能となった場合でも、再度待機期間を満たす必要はありません。

 

労務不能の状態が土日・祝日等の公休日にあっても、待機期間としてカウントされます。

 

(4)休業した期間について給与の支払がないこと

冒頭でも述べましたが、傷病手当金は病気やけがにより働けなかった際の、

所得保障として支給されますので、給与を受けられる場合は支給されません。

ですので、待機期間満了後の4日目以降に有給休暇を取得した場合は、

給与が発生することになるので、その日については支給なし、となります。

なお、支給される給与が傷病手当金より少額の場合は、

傷病手当金との差額が支給されます。

(傷病手当金の額-給与がプラスの場合、その差額を支給)

私が急性扁桃炎で入院した際は、全て有給休暇を当てたので、

給与の支払いがないという要件を満たさなかったため、

傷病手当金は支給されませんでした。

 

 

次に傷病手当金の支給額についてです。

1日あたりの支給額の計算は、以下のようになります。

傷病手当金支給額
全国健康保険協会(協会けんぽ) リーフレットより

支給開始日以前の期間が12ヶ月に満たない場合に比較する、

28万円(当該年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の

標準報酬月額を平均した額)は、協会けんぽの場合の金額となります。

健康保険組合の場合は、異なる場合がありますので、各健康保険組合へご確認ください。

 

 

傷病手当金が支給される期間ですが、同一の傷病等に関し、

支給開始日から起算して1年6ヵ月を限度とします。

この1年6ヵ月の中で、支給要件に該当した日について支給されます。

例えこの1年6ヵ月の間に、出勤した日があったとしても、

その分支給期間が延長されることはありません。

ただし、上記の1年6ヵ月の範囲内であれば、

一度復帰した後に同一の理由で労務不能となった場合、再度給付を受けられます。

kega1
全国健康保険協会(協会けんぽ)より

 

 

傷病手当金ですが、要件を満たしていた場合でも、下記のいずれかに該当する場合は、

支給されないか、差額のみの支給となります。

 

・出産手当金が支払われる場合

出産手当金の額が傷病手当金の額より少ない場合は、差額が支給されます。

 

・同一の傷病により、障害厚生年金の支給を受けることができる場合

1日あたりの障害厚生年金の額が傷病手当金の額より少ない場合は、差額が支給されます。

 

・同一の傷病により、障害手当金の支給を受けることができる場合

傷病手当金の額の合計が障害手当金の額に達するまでは支給されません。

 

・労災保険法の休業(補償)給付を受けている場合

業務災害以外の別の傷病により、傷病手当金の支給要件を満たしたとしても、

傷病手当金は支給されません。

ただし、休業(補償)給付の額が、傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給されます。

 

・老齢退職年金の給付を受けている場合

(健康保険の資格喪失後も、継続して傷病手当金を受ける人のみ

老齢退職年金(老齢または退職を支給事由とする年金)の額が、

傷病手当金の額よりも少ない場合は、差額が支給されます。

 

資格喪失の日の前日(退職日等)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、

被保険者資格喪失日の前日に、現に傷病手当金を受けているか、

受けられる状態[要件の(1)(2)(3)を満たしている]であれば、

資格喪失後も引き続き傷病手当金の支給を受けることができます。

ただし、一旦仕事に就くことができる状態になった場合、

その後更に仕事に就くことができない状態になっても、傷病手当金は支給されません。

 

以上が傷病手当金の仕組みとなります。

ちなみに申請時には、主治医の証明(対象期間労務不能であることの証明)と

会社から勤怠と賃金についての証明(期間内に労務不能であった日の証明と、

その期間に支払った賃金に関する証明)を貰う必要があります。

ですので、長期にわたる場合は賃金の締日ごとに申請することが多くなっております。

(毎月申請、2ヵ月毎に申請といったことも可能です。)

上記の証明は、傷病手当金を申請する都度必要となりますのでご注意ください。

 

 

「人」と「組織」と「社会」のみらいのために

社会保険労務士事務所みらいのスタッフブログ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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