年次有給休暇を考える-その1

年休

最近年次有給休暇に関するご相談が非常に増えてきているので、今回からしばらく、有休休暇についてコラムで取り上げていこうと思います。

今の国会にて審議されている労働基準法の改正案においても、年次有給休暇(以下年休と表示します)を年間5日取得することの義務化が含まれています。

働き方改革への対応で様々なことへこれか取り組まなければなりませんが、会社によってはこの年休への対応に一番苦労すると思われます。

一方で年休への対応を上手に行うと、残業時間の削減にもつながったり、採用面で非常に有利になることも考えられます。

先週のメルマガで、働き方改革法案の施行時期が一年延期されるとお伝えしましたが、年休に関しては施行が延期される予定はありません。

避けては通れないことですが、年休に関しては会社側として避けたい部分が多い年休です。

今の予定では来年の4月から対応しなければならない年休の年5日取得に向けて、どう対応していくべきなのか一緒に考えてみたいと思います。

 

今回は最初なので、簡単に年休の意義や性格について考えてみましょう。

年休は労働者の健康で文化的な生活の実現に資するために、、労働者に対し、休日のほかに毎年一定日数の休暇を有給で補償する制度とされています。(参考:労働法 菅野和夫著)

一定の勤続(勤続年数)と勤務日数(8割出勤)によって取得できる、労働者が個人で取得できる権利、休暇は一日ごとである、という性格を持っています。

 

年休は労働基準法第39条に以下のように定められています。

1.使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

2.使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。
ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。

付与日数(通常)

第1項第2項にて定めている日数についてですが、これは所定労働日数が週5日または6日である場合が該当します。

いわゆる正社員かそれと同様の日数勤務する労働者が対象となります。

 

最近良くご質問があるのが、パートさんやアルバイトさんの場合です。

週4日以下の勤務でかつ週所定労働時間が30時間未満の場合には下記の表のような日数が付与されます。

付与日数(比例)

ここで問題となるのは、週4日勤務で週32時間労働の場合はどうなるのか、というケースです。

この場合については、比例付与の条件である週30時間未満には該当しないので、正社員と同じ付与日数になることをご注意ください。

また年休が付与される(取得できる)要件は2つあります。

①雇入れ日から6カ月継続勤務していること
②全労働日の8割以上勤務していること

①の継続勤務とは事業場における在籍期間を意味し、勤務の実態に即し実質的に判断されます。
例えば、定年退職者を嘱託社員として再雇用した場合などは、継続勤務として扱う必要があります。

在籍している限り、休職期間、長期病欠期間、組合専従期間等も、継続勤務に通算されます。

最近の議論で最初の6か月については条件としないことがあります。

要は会社に入社してから6か月については年休が与えられていませんが、これを入社時から付与しようとするものです。

厚労省にて検討に入ったとの報道がなされたので、数年後の労働基準法改正で行われるかもしれません。

 

②の全労働日の8割以上勤務についてですが、最初の6ヶ月についてはその期間で、その後は1年ごとに全労働日の8割以上勤務しているかどうかで判断をします。

この場合の全労働日というのは、「労働者が労働契約上労働義務を課されている日」をいい、実質的にみて労働義務のない日(休日など)はこれに入らないとする最高裁判例があります。
(エス、ウント、エー事件=最三小判平4.2.18)

労働日数/労働義務のある日≧8割 という公式になりますが分子については以下のAが関係し、分母についてはBが関係してきます。

A8割以上とする出勤率についてですが、業務上の怪我や病気で休んでいる期間、法律上の育児休業や介護休業を取得した期間などは、出勤したものとみなして取り扱う必要があります。

B会社都合の休業期間などは、原則として、全労働日から除外する必要があります。

 

年休の基本中の基本の部分ですが、やってみてみると結構奥が深いことが感じます。

今回試しに一回目やってみましたが、年休については結構な回数に渡って解説することになりそうですね。

今後もしばらくお付き合いください。

 

荒木

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