全ての業種で人手不足

最近人手不足や働き方改革に関連する講演の依頼が増えています。

ここ11月後半から12月前半に関しては、まさに講演ラッシュでしたがお陰様で色々なデータから考えさせられることが多くありました。

講演の際には冒頭で色々なデータをご覧いただくのですが、中でも人手不足で気になるデータを今日のブログで紹介したいと思います。

 

【現在の有効求人倍率】

人手不足を測るデータに有効求人倍率があります。

これは有効求職者数に対する有効求人数の比率のことで、全国のハローワークに寄せられる求人と求職の申込み状況を反映したものです。

そのため民間の求人紹介会社等に寄せられる求人の募集状況に関しては統計に反映していませんし、新規学卒者も除かれています。

それでも公的な統計指標としては非常に有効な指標であることは間違いありませんし、実態を反映している指標と思います。

例えば有効求人倍率が1.08倍とは、仕事を探す人100人に対して108人分の仕事がある状態となり人手不足となっており、反対に1を下回れば、「仕事不足=人余り」を意味します。

現在の有効求人倍率はグラフで見た通り、平成29年10月現在で1.55倍となり大幅な人手不足であることが判ります。

求人・求職・求人倍率の推移

(グラフは厚生労働省が12月1日に公開したものです)
右のグラフは昨年10月から今年10月までの推移を示していて、一貫して倍率が上昇しているのが判ります。

左のグラフは平成16年度からの年度ごとの平均の推移を示しています。

平成21年度は0.5倍を下回る極端な人余り状況でしたが、8年間で極端に環境が変化していることが判ります。

 

【有効求人倍率の推移から考えられること】

この原因をもう少し長いスパンの統計から考えてみたいと思います。

ご覧のデータも厚生労働省から公開されているものですが、昭和38年からの推移をみることが出来ます。

有効求人倍率の推移

これによると過去求人倍率が1倍を超えることは少ないと気づきます。

大きな山場は過去に4つあり、一番高い山は昭和48年の1.76倍です。
高度経済成長による大幅な人手不足を表していますが、同年の10月に発生した第4次中東戦争を契機としたオイルショックの影響により急低下しています。

次のピークは平成3年ですが、この時はバブル景気と言われた時代。
バブルの崩壊とともに求人倍率は急低下しています。

平成11年には0.48倍となっていますが、就職氷河期と呼ばれた時代です。

 

【過去とは違う要因の人手不足】

今までの二つの山場は景気の変動によってもたらされているものですが、平成18年に出来た山場は少し状況が異なっていると思っています。

そのため現在も急激な上り坂となっているグラフの推移ですが、実態としては平成18年の山も現在のものも同一の要因に因るものと考えるべきです。

昭和48年と平成3年のピークは景気と大きな関連がありますが、現在は景気が良いと感じることは少なく、過去の要因とは違う感じがしますね。

景気動向と人手不足

このグラフは大和総研のリポートからデータを抜粋したものですが、こちらでみると過去は景気動向と人手不足のデータがほぼほぼ傾向一致しています。

しかしとくにここ数年に関しては景気動向と比較して、人手不足感が一方的に高まっているのがはっきりしています。

 

日本の人口推移

考えられるのは15歳から64歳までの『働き手』と言われる年代の人口現象です。

求人倍率の谷間を作った平成11年ころが実は労働力人口のピークだったと言われています。

国勢調査によって日本の総人口が減少してきたと言われたのは、平成27年の時でしたが、働き手の人口は随分前から減っていたのです。

その影響が求人倍率に反映していたと思われるのですが、平成20年に発生したリーマンショックにより急激な落ち込みが一時的に発生したものです。

【中小企業のすべての業種で人手不足】

最後のグラフは日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)(2017年9月調査全容)からデータを加工したものです。

業種別人手不足(中小企業)日銀短観

人出が不足していると数値がマイナスになり、人余りになっているとプラスになるものです。

データは中小企業のものだけをグラフ化したものですがこれを見て解るのは全ての業種でデータがマイナスになっていること。

つまりすべての業種で人手不足になっているということです。

特に人手不足が目立つのが、宿泊・飲食サービス、運輸郵便、情報サービスといったところですね。

反対に繊維が一番マイナスが少ないのですが、人手の需要が乏しいともいえます。

デフレ経済の中で低賃金によって成り立つようなビジネスモデルを見直すと同時に、働く環境を変えていかなければ、産業そのものが成り立っていかないのかとも懸念します。

働き方改革に取り組むことの重要性を感じさせるグラフと思います。

 

荒木

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